整体的見地から考える健康法~苦手な人にあった時の対処の仕方~

整体的見地から考える健康法~苦手な人にあった時の対処の仕方~

2021年1月16日

年を重ねるごとに近所の整体に通いだす人は割と多いのではないだろうか。整体といっても国家資格により整体師として認められるものではなく、古今東西、古くは大正時代に伝わったオステオパシー、カイロプロティックと呼ばれる欧米式によるもの、日本武術の柔術や骨法などの流派に伝わるもの、伝統的な中国医学によるものなど、国家資格を必要とするマッサージ師、鍼灸師と比べると、恣意性、自由度が高いといえる。

心のどこかで怪しいと思いながらも、薬よりは自然の治癒力に頼り、体の負担を減らし、少しでも体を楽にし、長生きしたいという思いから整体に通いだす。

しかし、理想的には整体に通わずに体を健全かつ楽に保てるならそれに越したことはない。

整体とはその名の通り「体を整える」ことであるから、体を整えなければならないような、痛みやしんどさが伴う体のゆがみを生じさせないことが肝要である。

体のゆがみは一説によると、肝臓・腎臓の疲労により生じるらしい。肝臓と腎臓の疲労が起立筋という背骨の真ん中より上部で背骨右脇にある筋肉の硬直を引き起こし、体をゆがませる要因となっている。

現代人は頭を使いすぎて肝臓が疲労している人が多い。もちろんお酒を飲みすぎて、機能的に肝臓を疲労させるということもあるが、厄介なのは肝臓の疲労の原因となる頭の疲労である。

スマホ、パソコンは現代人の日常生活、特にビジネスにおいてはほぼ必須のものとなっており、自覚はなくてもそれらの画像の情報量はとても多く、長時間見ているだけで脳を披露させる。近所づきあい、仕事上の人間関係のストレス、詰まるところいじめ、いやがらせによるストレスというのも当然脳の疲労につながる。スマホの存在は、学校、職場など人が集まるところから物理的に離れても、スマホが肌身離さず持ち歩いてソーシャルネットワークサービス等の画面を確認せずにはいられない人の心を痛めつける原因となることもある。

そのようなストレス多き時代の整体的な処方箋として次のことを提案する。

「苦手な人に出会ったら、自分の姿勢に意識を傾け、肩を前には入れず、おなかを前につきだすこと」

肩甲骨はその人の理性や精神に深い影響を受けている。緊張は肩甲骨に表れやすく、人が嫌な思いをすると、大概は肩を前に入れてお腹を硬くし、特に体の右側を緊張させる。だからこれとは、逆の動きをすればいいのである。
体を見ればその人の心の状態がよくわかる。悲しいときは後ろ姿を見ただけでも分かるし、うれしいことがあった人は歩き方を見ても分かる。

結局のところ、うれしい時や楽しい時、自分はどんな行動をとっているのか人に聞いて、心が多少落ち込んでいる時でも、意識的にその行動をとれば気分が上向き、整体的に見ても正しいといえそうな気がしてくる。

【参考文献】宮川眞人「ゆがみを治す整体学」

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