会計事務所はこれからの時代どうすればいいか❓

会計事務所はこれからの時代どうすればいいか❓

2021年2月2日

1、地方の会計事務所の現状

 会計事務所は、会社の財務状況を事細かに知っています。事業に使用可能な経営資源を完全に把握しているのにも関わらず、彼らの仕事は、帳簿作成代行、決算及び確定申告、節税や経営に関わる法務のアドバイスにとどまっている事務所がほとんどであり、その立場を全く活かしきっていません。
基本的に士業は、経営を行うために必要な法律上の形式を整えるのが仕事であり、そもそもの経営の根幹である売上を伸ばすにはどうしたらいいか、ということまでは言及できていないのです。
税務以外に話すことといえば、世間話レベルの売上に貢献するかどうかも疑わしい、気を紛らわすような雑談ぐらいがせいぜいです。

2、作業である経理、税務業務はさっさと終わらせる努力をしよう。

 今までは1で述べた作業を行っていればよかったかもしれません。しかし、現在の少子高齢化による人口減少、コロナ禍では、限られた時間、場所、経営資源、特に人財を有効に活用し、作業を減らし、売上を生み出す仕事をしていかなければ、会計事務所の収益も先細っていくばかりです。
だからまず、売上を生み出す仕事をする時間を生み出すため、作業である経理、税務業務を早く終わらせる必要があります。

3、経理、税務業務も立派な仕事であると主張する方々へ

  おそらく1.2の文章を読んで反感を持つ会計事務所の方もいらっしゃると思います。
「経理、税務もすぐにはできない難しい仕事であり、特に税務は読むのも難解な法律の理解もしなければ、正しい申告もできない」と。
話は少し変わりますが、皆さんはホリエモンの寿司職人理論をご存知でしょうか。売れる寿司店を将来持つには、長期間の修行の必要はなく、ある一定のセンスがあればという条件付きにはなりますが、数年で素人からでも寿司店を持つことができるようになるという理論です。

  会計事務所の職員もこれに近いものを感じます。例えば、東京のある会計事務所へうかがった時、「帳簿作成などの単純作業は海外の方にやってもらっていて、自分たちはそれを確認、整理、修正するという仕事が主です。我々には半年ぐらいあれば一人前の仕事ができるノウハウがあります。」というお話を所長の若い税理士の方から聞きました。事務所がとてもオシャレで、表情、態度がとても誠実そうで、そういう見た目が、お話に説得力を一層持たせました。

4、それでもなお反感を持つ方々へ

 このコロナの状況で、会計事務所経営は上手くいっているのでしょうか?都市部ならまだしも地方の過疎が進んでいる地域ほど経営状況は厳しいのではないかと推測します。都市部ならITリテラシーが高い若い方が多く、地方よりはテレワークが導入しやすく、また都市部の会計事務所自体もテレワークを導入しており、顧問先とのコミュニケーションが円滑に行われています。なぜそういえるのかというと、コロナ前からリモート巡回監査、freeeを始めとするクラウドサービス、RPA、FinTech(これらについては後で詳細に説明します。)積極的導入、テレワークの導入を元々行っている事務所が実際にあったからです。
 
 一方、地方においては高齢の方が多いという事情もありますが、経理担当が帳簿を手書きで書いているところも多々あり、会計事務所がそれを会計ソフトに打ち込むという作業を行っています。
これでは、都市部と地方の会計事務所との間に大きな業務効率の差が生まれるのは当然です。

5、コロナ禍での地方の会計事務所が陥っている負のループ

 以下、現在の会計事務所の問題点を起点として、地方の会計事務所が陥っている負のループをチャート図で説明します。

○一部、テレワークに伴うコミュケーションの機会減少により、業務の内容、進捗、意思伝達が遅くなり、業務効率が落ち、労働時間が余分に増え人件費が増加する。

○上記の理由により、お客様への対応も遅れがちになり顧客満足度が下がり、客離れのリスクが高くなる。

○会計事務所職員も、上記の理由から、疲弊し士気が下がる。

○そもそも会計事務所職員はコロナ前から疲弊している人が多い印象。顔色が優れずやつれている人を見かけ る。優秀であるか、体が強く機敏に動ける人を雇っている感じ。

○2020年の夏、職業訓練校でお会いした方の中にこの三拍子が揃っている人がいた。担当顧客を20件以上持っているにも関わらず、周りから心配されて、ご自身も体がきつく、顧客の数の割に給料が低いと感じて会計事務所を離職された方いらっしゃった。

○従来から低賃金、所長や周囲とのコミュケーションがしんどい、労働時間が長いなどの理由から離職率が高かったが、さらにあがったのではないか。

○それにも関わらず、会計事務所の所長は常に会計、税務処理に明るい即戦力ある人を求めるが、そういう人はとても希少である。中々、採用できない。

○人材が減り、残った会計事務所職員がどんどんしんどくなっていく。

○どうすればいいか→①人材の確保。②コスト削減。③顧問先の売上増加。

6、負のループを脱するための施策

 それでは5によって導き出された施策について具体的に説明します。
①人材の確保の達成:人を効率的に育てる発想を持ち、事務所に根付くような人的資源を確保。人を選抜する発想から人を育てる発想に転換
→会計事務所向けクラウドサービスのコンテンツによるセミナー受講により解決

②コスト削減の達成:ITによるコミュケーション手段や仕訳効率化ソフトの利用により業務効率アップ。
所長、従業員のストレスを減らし、時間節約につながる。従来から所長とコミュケーションを取りづらそうにしている職員が多いと感じる。躊躇している分、時間のロスが生じる。コミュケーション手段を豊富にし、意思伝達の情報量アップ。重要書類、重要連絡事項は常に所長と職員で共有し、所長が職員を呼び出してヒアリングしなくても、所長が把握できるようにしておく。さらに仕訳効率化ソフトの利用により、労働時間の短縮を図る。
→会計事務所向けクラウドサービスや仕訳効率化ソフトにより解決

③コスト削減の達成:キャッシュ(税理士報酬)確保のための顧問先の売上増大
→経営者向け経営支援サービスのコンテンツによるセミナー受講により解決

7、このブログでは6を具体化するための商品、サービスについて紹介していきます。

  2021年2月現在、5を具体化するための商品、サービスが広がりを見せています。しかし、これは主に都市部の効率化や新しい会計事務所の役割に対して理解ある一部の会計事務所に留まっています。そしてその顧客である中小企業も昔からの手作業のルーチンワークから抜け出せず、企業の売上を伸ばすことに力を注ぎ尽くすことができていません。「自分たちは専門家だ、素人は口を出すな」という考え方は、自分たちの足を引っ張り、本来ある力を全く活かせないという事態を招くケースもあるということはコンサル業界の常識でもあります【注1】。

 私達に足りないのは「一度でも試してみよう。」という勇気です。新しいことに拒絶反応を起こすのは、人間の防衛本能からくるものであり、「今の心理的に楽で心地いい現状から変わりたくない。」というのは当然の反応です。ただその先に待ち受けるものは暗い未来であることが多いことは周知の事実でしょう。私は未来を少しでも明るく、希望あるものにしたい、未来のため自分の役割を全うしたい、ただそれだけの思いで、この文章を書いています。そして、明るい未来を実現するための具体的方策はなんなのか、現在、又は近い未来の商品、サービスそれらの扱い方を紹介していきます。

【注1】

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